27日の月曜日、「あるクラブ」(今や有名無実化してしまったが)で今回が初開催となる “Blues Open House“ というイベントが開催された。これは事実上のファンミーティングで、100人程度の招待制ながらファンがダイレクター陣や監督などクラブ内ほぼ全ての主要人物からのプレゼンテーションを受けることができた(もちろん最後にはQ&Aセッションもあった)。
私はこのイベントには行っていない。正直なところ「呼ばれてもいいのにな」と思っていたが(人選している人たちとはおそらくほぼ知り合いなので)、どうやらこの人選には「この場で伝えられたメッセージをより広く拡散できる人々」という括りがあったらしい。なのでブロガーやポッドキャスター、YouTuberといったファンの発信者やソーシャルメディア上で多くのフォロワーを持つインフルエンサー、そして超長年の「ホーム&アウェイファン」にHerGameTooアンバサダーといったクラブとの関わりの深い人々が呼ばれていたようだ(おそらく私の場合詳細な部分を伝えるという意味では適切ではないと考えられた)。
公開されているパートや行った人たちの話を総合すると、まず開会式でオーナーのトム・ワグナー(アメリカからZoom参加)とCEOのギャリー・クックから挨拶があり、その後各グループに分かれる形でスタジアムツアーと各責任者からのプレゼンテーションがあったという。最後に戻ってきてQ&Aが開かれる頃には日付が変わるくらいの時間になっていたそうだ。
各プレゼンテーションの中ではスタジアムの拡張計画やチャリティ活動といった想像に容易い項目の他に、ウェイン・ルーニーとダレン・カーターという男女それぞれのトップチームの監督によるセッションもあった。特にルーニーのプレゼンテーションは今チームが何を念頭に置いてプレイしているかの詳細な戦術解説があったそうで、多くの人が感銘を受けていた。(よく考えれば監督、しかも彼ほどの選手だった人物がファンよりもフットボールについて詳しく語れるのは当然なのだが)
このイベントがあったのはルーニーが初勝利を飾ったシェフィールド・ウェンズデイ戦の直後。即ちイベントの開催前は、もしウェンズデイ戦で勝てなかった場合(特にルーニー任命の責任者である)クックなどに対してかなり厳しい態度で臨むファンが出てくるのではないかと懸念されていた。結果的にそれは杞憂に終わり、それどころか内容の充実ぶりに行ったほぼ全ての人々がポジティヴな感想を拡散し、少なくともある時点ではこのイベントは100%の成功と言って差し支えないものになったと思う。
ただ問題もあった。それは参加人数を絞ったことによるファンベース内のシニカルな目線の醸成だ。
もちろん影響力のある人はほぼ全員行っていたので「分断」とまで言うのは行き過ぎているが、中には自身が招待されなかったことへの不満からか、参加したサポーターに対する懐疑的な目線を寄せるファンもいるようだ。今回の会のスタイルを考えれば参加人数を絞らざるを得ないのは当然で、また参加者から出ているポジティヴな感想もおそらく心の底から出ているものなのだが、それらすべてが組み合わさるとどうしても閉じた印象が出てきてしまうのも仕方がない。
また参加者があれだけ美辞麗句を言っていたルーニーの成績がイベント後またしても下降に転じていることも助けにはならなかった。あの日実際に会った参加者でさえ今では現状に対する激しい批判を並べるようになってしまったが、結果的にはそれぞれの小さな要素が重なり合って少しファンベース内に亀裂が生じてしまったような気がする。
これは運の問題だ。初開催のイベントということもあり、クラブ側も当然試行錯誤を重ねている段階である。また前体制でのネグレクトぶりを思えば、こういったコミットメントの高いファンミーティングが開催されること自体は歓迎すべきだという総意も既に形成されている。
プレミアリーグとEFLの規定によれば、各加盟クラブはシーズン中に少なくとも2回以上のファンミーティング/フォーラムを開催することが義務付けられている。昨シーズンには5月に至るまでワトフォードが一度も開催せず、罰金を課されるところまで行ったことでこのルールは話題になった。
これをただの義務と取るか、それとも何かしらの観測気球を上げるよりもよっぽど有用なファンからの意見をくみ取る機会と取るかはそれぞれのオーナーの自由だ。場が荒れてしまう危険性は当然として、こういったセンシティヴなイベントにはありとあらゆるリスクが伴う。
こういったPRの観点で言うところの小手先のごまかしが効かないイベントでは、クラブがやっていることの根っこにある考え方が大なり小なり露呈してしまう。その意味で「ピッチ内だけが問題」な「あるクラブ」の場合には発表された取り組みそのものにまったく隙が無かったため、然るべき称賛が集まる結果になった。
ファンエンゲージメントの方法が多様化する今だからこそ、こういった大規模な参加型イベントの重要性は増している。多くのファンがオーナーシップに懐疑的な目線を向けざるを得ない昨今、クラブ上層部が考えるべきことは多い。
今週のEFLアイキャッチ
今週はFAカップ2回戦が行われたためL1とL2は基本的にお休み。なので、チャンピオンシップスペシャルです!
チャンピオンシップ
今週は火曜の夜に突如飛び込んできた2つの監督人事を切り口にする。いずれも第三者の立場から見れば驚きの監督交代だが、実情としては燻り続けていた火種が遂に一線を越えてしまったと形容した方が適切だろう。
マイクル・ダフのスウォンジーでのラストゲーム。早々にオウンゴールで先制を許し、その後はポゼッション77%、シュート数22-5という猛攻を見せたものの、90+3分のチャーリー・パティーノの巧打でようやく追いつく内容だった。もちろんスタッツは勝利に相応しいものでこそあったが、結果として残留争いに加わることが明らかなハダースフィールドにも引き分け、ここ8試合が1勝3分4敗での18位。もちろん彼らが良しとする成績ではない。
とはいえ前任のラッセル・マーティン時代にも当然これくらいの、というよりこれ以上の不振の時期は何度もあったし、順位的にも降格圏に近付いていたことなんてザラだ。しかしダフに対してはたった4ヶ月で我慢の限界が来てしまった。何が決定的に違ったかと言えば、そのフットボールのスタイル、そしてファンからの受容度だ。
もちろん今や説明不要のThe Swansea Wayはマーティンの就任以前からクラブに根付いていたものだったが、もともとその更なる進化を期待されてMKドンズから引き抜かれたマーティンは、あのロベルト・マルティネスをも凌ぐレベルでのスタイルへの忠誠を見せていた監督だ。それは就任前から明らかなベストフィットであるように見えたし、実際に移籍市場でのボードからのネグレクトさえなければどこかの段階で確実にPOには行けていたのではないかと思うほどに、シーズンの終盤にはほぼ必ず非常に魅力的なフットボールを完成させてきていた。マーティンに対してファンが絶大な信任を寄せていた最大の理由は彼らが同じ方向を向いていたからだ。
それに対し、そのマーティンの後任としてやってきたダフに対しては、あまつさえプレシーズンの段階から一部ファンベースが明確な敵対姿勢を打ち出していた。初の監督職だったチェルトナム、そして昨季引き抜かれたばかりだったバーンズリーの両方で申し分ない結果を出してきた実績があるにもかかわらず、である。
当然理由は彼のスタイルにある。予算的にはリーグ水準を大きく下回りながらも昇格→余裕の残留と結果を残し続けたチェルトナム時代にはロングスローの名手ベン・トーザーがいたほどだし、それに比べれば相当に予想外の繋ぎっぷりを見せた昨季のバーンズリー時代ではあったが、前任者のスタイルと比較するのはさすがに分が悪かった。マーティンがファンの要求度合いを極限レベルにまで到達させてしまったため、結局のところ誰が引き継いでも難しかったのかもしれないが、クラブもファンも監督自身も誰一人として得しない4ヶ月になってしまったのはなんともやるせない。
後任人事の方向性ははっきりしているが、だからこそ適任者になり得る候補は少ない。当然まず想起されるのはマーティンの下でアシスタントを務め監督としての能力も申し分ないルーク・ウィリアムズだが、もともと家族の希望でスウォンジーを離れイングランドに戻った経緯があるだけに、今ノッツ・カウンティを離れる理由が特に見当たらない。他にEFL内ではボルトンのイアン・エヴァットくらいしか同型で引き抜かれる候補になりそうな監督がおらず、後任の予想を立てるのは難しい。
スウォンジーの発表から1時間足らずして、今度はノースイーストに前触れなしの波乱が起きた。トニー・モウブレイ解任、あのサンダランドの昇格1年目でのプレイオフキャンペーンから半年で、現在も9位につける中での決断となった。
しかしその昨季最終盤の段階で、既にモウブレイ解任論が声高に唱えられていたことをご記憶になっている方はどれほどいるだろうか。
https://twitter.com/FabrizioRomano/status/1650390909496827906
思えばこの当時から、サンダランドのボードにとってこの11月に60歳にもなったイングランド人のモウブレイはファーストチョイスではなくなっていた。選手補強の面においてあれだけ外国から若く未知なる選手を取ってきているクラブである。その考え方が監督選びに持ち込まれるのも何ら不思議な話ではない。
それでも結果が出ている内は替えづらかったのだろう。直近3試合で1ポイントの獲得に留まり、順位はPO圏から9位に転落。内容にそれほど極端な下降があったとは思えないが、その一方で攻撃面では明確にジャック・クラークへの負担が増してしまっているなど、上積みのペースが落ちてしまっていたことも事実だ。
ただその上であえて言うならば、昇格2年目のサンダランドが現時点でこの位置につけていることを失敗とみなすのは極めて危険であるようにも思う。それは選手層という意味でも、選手に費やしている金額という意味でも、今シーズン上位につけているクラブという意味でも、あらゆる面から声を大にして言っておきたいことだ。
もちろんクラークやダン・ニールといった選手の放出の可能性を考えた時に1年でも早く昇格しておきたいと思うのは当然のことではある。それでも相対評価で見た時に今シーズン自動昇格を狙うのはあまりにも無謀で、POを目標にするのならば今のリーグ順位と内容で監督を解任する理はどこにも見出せない。その点でやはりこの決断は決して小さくないリスクであって、向こう1ヶ月ほどの戦いぶり如何では上だけでなく下を見なければいけなくなる可能性も十分に残している。期待値が上がりに上がってしまっていることは、どんな監督にとってもプラスにはならない。
新監督候補はもちろん国外からの人材ということになるはずだ。既にブックメーカーでは様々な名前が挙がっているが、このサンダランドの監督人事ほど骨を折る予想もそうはない。ここは座して見守るしかないだろう。
細かく噛み砕いていけばそれぞれの事情が見えてくる両クラブの解任劇だが、このタイミングに寄与したファクターをあえてもう1つ空想したい。
それはリーグ下位から驚異的な突き上げを予感させる2人の “トレンドセッター“ の活躍だ。
マルティ・シフエンテス初勝利からの連勝を飾ったQPRに、たった1ヶ月前まで上空を覆っていた暗鬱とした空気はもう微塵も感じられない。適切な監督の適切なコーチングはここまでして同じ選手たちを短期間でトランスフォームしてしまうのかと、ただひたすらに驚きを持って受け止めるばかりである。
ミッドウィークからの金曜夜開催、まずスタメンで現れた最初のサプライズはイリアス・チェアーの欠場だった。就任初戦の時にも書いたが、誰がどう見てもQPRのメインマンたるチェアーはシフエンテスも全幅の信頼を置く存在。そんな彼をも躊躇なく休ませる、ローテーションヘビーな彼の信念と勇気が垣間見えた采配だ。
代わりに左サイドに入ったのは前節復活のゴールを決めたクリス・ウィロックだったが、正直なところ前半は両チームの守備面ばかりが際立つ展開だった。構築の起点となるLBケネス・パールも時に中に入り時にサイドに出てと試行錯誤を繰り返していたがプレストンによって頼みの左サイドのパスウェイは完全に塞がれてしまい、一方でボールを握ったプレストンもQPRのコンパクトな布陣の前に予定調和を崩すことができず。氷点下を割っていた中で観客にとってもさぞ厳しい試合だったことだろう。
試合を変えたのはハーフタイムに投入されたチェアーだった。トップ下で自由を与えられた彼の関与、仕掛けは一瞬で堅守を破る手立てを提供し、試合を通して何も変化を付けられなかったプレストンを置き去りにした。終わってみれば印象の差も明らかなアウェイでの0-2勝利、前半苦しんでいたウィロックも最終的にはダメ押し点を取り、チームとしての完成度の上昇度合いは計り知れない。
ミッドウィークに劇的な試合をこなした直後連続でのホームゲーム、シェフィールド・ウェンズデイを待っていたのは負けず劣らず感動的な1勝だった!リーグ得点王を擁し、最近は完全にそのパフォーマンスレベルに見合う結果もついてきたブラックバーンに対して、紛れもなく完勝と言っていい内容でもあった。
そして何より、見過ごすことは到底できない長大なコンテクストもある。今から20年近く前、05/06シーズンにブラッドフォードの前線でコンビを組んでいたのは、ディーン・ウィンダスとダニー・カダマートリの2人だった。2005年8月27日、League One第5節のボーンマス戦ではウィンダスのアシストからカダマートリがゴールを決めた。
18年の時が経ち、チャンピオンシップに所属するシェフィールド・ウェンズデイで、再び「ウィンダス→カダマートリ」の得点が生まれた。アシストしたのはもちろんディーンの息子、2005年当時11歳だったジョシュ・ウィンダス。そしてゴールを決めたのももちろんダニーの息子、2005年当時出生3ヶ月だったベイリー・タイ・カダマートリである!
百戦錬磨のCBを翻弄したレスター戦に続くプロ2試合目の先発出場、18歳の少年は数奇な運命に導かれて、ダニー・ルール体制下の象徴的な存在となりつつある。自身を除けば多くのベテランが並んだスタメンの中で、この走るフットボールの最前線に求められる役割を十分にこなしてみせた。そしてそれに呼応するかのように、一度追いつかれてもこれまでのように下を向かず、後半に入って再度取り返したチーム全体のメンタリティが明らかに変わりつつある。
遂に結果までついてきたルールボールはリーグ内でも決して無視できない存在感を示し始めた。シフエンテス下のQPR然り、長い間降格圏を占める両チームで今季ここまででは圧倒的な効力を示す監督交代が起きたことは、リーグ全体の人事戦略に大きな影響を及ぼす可能性がある。各ダイレクターはこれらによってより新監督を若返らせていく勇気を手にするはずで、結果としてリーグ全体の底上げにも繋がっていくことを願いたい。
週末を迎える段階での最注目カードはウェストブロム 1-2 レスターの一戦だった。大方の予想通りの70分間から狂気のラスト20分、そして最後に驚きのギャンブルが試合を締めくくった。
89分にジョシュ・マジャが同点弾を決めた時、ほとんどの人が「内容を考えれば順当な」1-1ドローとしてこの試合を過去のものにしようとしたことだろう。カルロス・コルベランの徹底したリアリストぶりを知っている人ならそう考えて当然だし、レスター側でさえ1-1で十分御の字だったはずだ。
次に起きたことは様々な意味で観衆を驚かせた。90+2分に敵陣深くで得たスローインの機会、ウェストブロムはロングスローを選択しほとんどの選手をボックス内外にまで上げて全力で2点目を狙いに行ったのだ。そしてそのボールを奪われてしまったことで必然のロングカウンターを喰らい、結果的にはハリー・ウィンクスの決勝弾に繋がった。
これを何を意味するのだろうか。私が思い至る唯一の結論は「コルベランはここでの1ポイントにさほど価値を見出していなかった」ということくらいなものだ。もちろん1でも取れれば良かったのだろうが、「1を失って3を取りに行くメリット」と「1を狙って3を諦めるデメリット」を天秤にかけた場合に、あの状況では前者を優先させたのだろう。
それはもちろんレスターの直近数戦、そしてこの試合でのパフォーマンスが第一にあってのことだろうし、もしこの試合でウェストブロムが勝っていれば1つ下の6位よりも3位リーズとの差の方が近い状況に自らを置くことができた。レスターに勝ってその立場を手に入れられることのメリットはいくつも考えられる。結果的にその企ては失敗に終わってしまったが、ここでコルベランが見せた野心的な姿勢は覚えておく価値のあることだろう。
そして今週はもちろん、2人の「ウェズ」が決めた2本のとんでもないゴールについても触れておかなければならない!
両者ともに素晴らしい攻撃組織を有しての愉快な試合だったハル 1-2 ワトフォードの一戦にこれ以上ない付加価値をもたらしたのは、ハーフウェー付近から魔法をかけたCBウェズリー・フートの決勝弾だった。
あの位置でボールを奪われたこと自体に関してはリアム・デラップの責任だが、それ即ちこの失点の責任、とは到底言うことができない。ゴールキーパーの位置をしっかり把握していた冷静さ、そこをしっかりと射止める技術、何よりそれを狙おうとする勇敢さ。昨シーズンのイスマイラ・サールに続き、スペシャルな超ロングシュートがワトフォードの選手から生まれたことになる!
しかしなんともはや、このゴールはゴールオブザシーズンどころか「ゴールオブザデイ」ですらなかった。なぜなら…
往々にして巷で語られる素晴らしいゴールとは最後のフィニッシュにだけ焦点が当てられたものだ。それはそれでもちろん凄いのだが、(昨季某所でベストゴールとして挙げたジャック・クラークのゴールのように)そこに至るまでのプロセスはやや過小評価されているように思う。
相手は組織力、とりわけ前線からのプレスに自信を持つコヴェントリー。もちろん後方からの繋ぎなどお家芸とも言えるイプスウィッチだけに当然高い水準を課して見てしまうが、それにしてもこの完全に裏を取るビッグスイッチを2回も織り交ぜたビルドアップは美しい。
そして何より、ウェズ・バーンズのフィニッシュである!これは始めて知った用語だったが、こういったアウトサイドで巻くシュートのことを(イギリスでは珍しくポルトガル語を用いて)トリヴェラと言うらしい。馴染みのない言葉なので「クアレスマ」にしてもいいのではないかと思ったほどだが、いずれにせよ今後は「バーンズ」でいい!
その他の試合について。トップ2を追うリーズとサウサンプトンはそれぞれの労力はありながらも共に勝利、「トップ4」という表現にしても違和感のない順位表の状態になってきた。
同じようなタイプの最前線たるジョルジニオ・ルターとエマヌエル・ラテ・ラトが同じようなパフォーマンスを見せたリーズとミドルズブラの一戦。特にラテ・ラトは前半だけでシュート5本(ちなみに後半は0)、その中で2点を決めたが依然として簡単な部類のチャンスは外すというなんとも彼らしい出来だった。前半3-2からの後半はノーゴール、まだ最終形態とはいえない両者だが、言わずもがなポテンシャルは確かなものがある。
難敵カーディフを2-0で下したサウサンプトンはこういったレギュレーショナルウィンを重ねられるようになってきた。11, 15分のアダム・アームストロングのきつい目覚まし時計で早々にアドバンテージを奪うと、あとは安定したゲーム運びで後半の被シュート数もわずか3本。もはやシーズン序盤の悩み倒していた面影はどこにもない。
プリマスはストークにホームで2-1の逆転勝利。今シーズン幾度となく最後の最後でポイントを奪われてきた彼らにとって、なんとも胸のすく瞬間がようやく訪れた。ストークは先制点でさえ相手の軽率なミスだったことを思えば、アレックス・ニールにいったいどれほどの時間が残されているのかは不透明だ。
日曜日の試合ではノリッジがブリストル・シティにアウェイで1-2の逆転勝利。前半は完全に1点を先制したブリストル・シティのペースだったが、後半ノリッジが上げたというよりはホームチームが極端に下げての逆転劇が起こり、未だちらつくピアソンの幻影もあってかファンはリアム・マニングに引き続き厳しい目を向けている。
そしてバーミンガムとロザラムのゴールレスドロー。監督不在のロザラムはネイサン・ジョーンズがスタンドに観戦に来ていたが、なぜか途中退席しその後就任交渉からも身を引いてしまったようだ。暫定監督ウェイン・カーライルの下でベターなチャンスを作っていたのは明らかにロザラムの方で、ジョーンズの行動の真相は不明にしても、彼らにとっては手ごたえをつかむ1ポイントになった。一方、ここまでアウェイ1ポイントのチームに対して終始劣勢だったバーミンガム、いよいよToxicな領域に足を踏み入れ始めている。
League One?
そう、実は1試合だけLeague Oneもあった!共にFAカップ1回戦負けとは思えないほどの好調チーム対決、そこで大きなアウェイ勝利を掴んだのはポーツマスの方だった。
何せ先週は今シーズン初黒星を喫したばかり、その後バートンに勝って連敗は避けたものの、この日は依然としてサスペンション中のジョー・モレルに加え大エースのコルビー・ビショップも欠く状態だった。対して相手のノーサンプトンは3連勝中。まさしく真価を問われた試合でのアウェイ0-3完勝なのだから、非常に大きな価値がある。
これで試合のなかったボルトンを上回って首位返り咲きを果たした。もちろん注釈は必要だが、長い間無敗を続けたチームが陥りやすい記録ストップ後の不振はもう心配しなくて良さそうだ。