事の発端は一ヶ月前に向かったウォルソールでの出来事だった。インスタやTwitterにも書いたが、偶然にもこの日私が座ったのはコメンタリーボックスの真隣。そしてその隣の席には、BBCウェストミッドランズの実況解説がいた。
そこで対面を果たしたのが、彼らの看板アナウンサーの1人リチャード・ウィルフォードだった。私が彼のことを知っているのは当然として、なんと向こうも私のことを知ってくれており、しばらく話をしていた。
その中でイギリスの放送環境についての話になった。以前にも書いたが私は日本でジャーナリズム学を専攻していた過去があり、「イギリスの現場がどういった感じかとても興味がある」という話をすると、ならいつかBBCに招くと約束してくれた。さっそく帰宅後メールで連絡し、彼が担当する今週月曜日の “Football Phone-in“(視聴者と電話を繋いでサポートするチームについての意見を聞くイギリス伝統のラジオプログラム)に見学に行けることになった。
なんともまあ、とんとん拍子に話が進むものだ!
BBCウェストミッドランズの中核をなすBBCバーミンガムは駅からほど近い大型ビルディング “Mailbox“ の中に所在している。見た限りではBBCだけで3フロアからなる構造で、朝の番組などで挟み込まれるWM地域向けのニュースを収録するためのTVスタジオの他、ラジオ番組用のブースでは2つのスタジオの間にオペ卓が広がるスペースがある。
リチャードの案内でまずオフィスエリアに足を踏み入れると、コロナの影響でリモート勤務になっている人が多いそうも、17時前の段階で見渡す限りで50~60人程度の人が働いていた。とにかく服装のラフさが際立つ。私は日本でもいくつかのテレビ局の内部に入ったことがあり、確かに制作部などには完全に私服の人がたくさんいるのだが、日本で言えばNHK(NHK内部には入ったことがないので正確な比較はできないが)のBBCでここまでラフなのかと驚いた。
その後18時から始まるプログラムのためにスタジオに向かう。Phone-inは毎日18時から1時間レギュラー放送されている番組だが、この日はコヴェントリーとウェストブロムの生中継があったため、19時からの中継開始(試合開始まで1時間実況解説とのトークなどで繋ぐ)と試合終了後22時からの感想Phone-inを合わせて、合計4時間半にも及ぶ生放送となる。
「全国放送ではないからねえ」とリチャードは言っていたが、この写真の通り、音声のアップダウンから何から彼1人でやっていたのには驚いた!さすがにPhone-inの時にはスタジオ外のブースにスー・ジェイムズというベテランのアナウンサーが入り、電話出演する人との事前のコミュニケーションや選別を行っていたが、それでもスタジオ内のリチャードはマルチタスクという言葉では言い表せないほどの作業量をこなしていた。
放送開始前の段階でも既に番組中で流す素材を放送に乗せるためのセットアップを目の前のパソコンでやっていたし、スタッフは文字通りこの2人しかいない。タイムキーパーも自分でやっているし、ディレクターもADもミキサーも何もかもいない。その中でこれだけ回しているのだから凄まじい。
聞けばBBCは政府からの予算カットによって大規模な人員削減を強いられたばかりなのだという。「地方のラジオのようなコンテンツこそ生活にとって大事なのに」とは彼の言葉だが、そのせいでこのようなオペレーションを強いられている部分もあるのだろう。言うまでもなく経験がモノを言う方法になってしまっていて、尊敬の気持ちを持つと同時に、今後に向けた持続可能性の部分で不安を抱かずにはいられなかった。
18時になり、番組の放送が始まる。日によってはまったく電話が来ず困ってしまう時もあるそうだが、幸いこの日はカバー地域4クラブ全てのファンから電話が来た。同じクラブのファンが連続にならないよう時には順番を入れ替えながらリチャードが彼らと話していく。
しかしその前段階ではスーがまず来た電話に対応し、果たして本当に放送に載せていい人物なのかどうかをチェックしていた。中には既にブラックリスト入りしている人(汚い言葉遣い、無駄な大声など)もいて、そういう人たちは丁重にお断りしていた。
そうして19時からはコヴェントリーと中継を繋いでのやり取りが始まる。この日はいつもと違う中継機材が持ち込まれており(CBSアリーナの機材設備が原因らしく、ワスプス時代に彼らがコストカットのために中継機材の受け入れ態勢をダウングレードさせたのだという)、やや音声が不安定になるアクシデントもあったが、結局は無事試合終了まで中継を行うことができた。
試合中はSkyの映像を見ながらいろいろと話しつつ試合を見ることができて、それ自体も素晴らしい経験だった。そして22:30にこの日の放送が終了すると、彼は「こうやって長時間いろんな準備をして、いろんな話をして、フットボールに関わることができる。素晴らしい仕事ですよ」と言葉をかけてくれた。日本でもイギリスでも、フットボールに関わる仕事をする人にはこの純度100%の気持ちがある。
イギリスの厳しい放送事情にも触れる訪問になったが、ここでは書けないことも含めいろんなことを勉強させてもらった。
ありがとうございました!
今週のEFLアイキャッチ
チャンピオンシップ:ウェンズデイ初勝利も雰囲気を澱ませる達人が再び実力発揮
League One:レディングファン魂の行進、破りも破ったりポーツマス
League Two:ナショナルリーグ伝説の2チーム、L2で再会!
チャンピオンシップ
ダービーマッチが計4試合開催された週末、その中でも最初に訪れるべきは日曜日のサウスヨークシャーダービー。EFLに在籍する他71クラブが少なくとも2勝以上を既に挙げた中で、シェフィールド・ウェンズデイが遂に今シーズンの初勝利を掴んだ!
正直なところこの日のロザラムの出来であれば監督交代前でも勝てたのではないかと思ってしまう(このオフィシャルコメンテイターの話しぶりを聞けば明らかだ)ほどだが、そんなタラレバでこの歓喜の瞬間に水を差すのはあまりにも野暮というものだ。
先週にも似たようなことを既に書いたが、やはりほぼ戦術そのものが存在しなかった前監督時代を思えば、就任3試合目のダニー・ルールの下でウェンズデイの戦い方は急速にシェイプされてきている。バリー・バナンが今シーズンここまで試合に絡んでいたのは初めてと言っていいし、彼から供給される左サイドチャンネルへのボールにアントニー・ムサバが反応する様はまさしくパターンと呼んで差支えないものだった。
そんな内実伴っての完勝劇。ここからの反撃を期待!と締めたかったところだったのだが…。
いつだって水を差すのは、他でもないシェフィールド・ウェンズデイの会長である。通常程度以上の思考回路を持っている人間であれば、せめてあの資金投入凍結宣言を行った感想文程度の声明を出した後の自身に向けられた反応を見て、何をどう思っていようがファンに牙を剥くことがいかに無意味であるかを学習できるはずだ。デフォン・チャンシリはまたしても、極めて浅慮かつ身勝手極まりない思考を公の場で披露することを選んだ。
それが逆恨みであることに気付いていないのは彼だけだ。チャンシリは最近よく「このクラブは大金を惜しげもなく注ぎ込んできた私の人生の一部」という趣旨のコメントを発するが、彼にとってウェンズデイが人生の一部となったのは2015年からに過ぎないことを学ばなくてはいけない。オーナーシップという形でなくとも、その何十年も前からチケット代やグッズ代という名目でクラブに私財を投じ続けてきた人たちがいることを認識しなくてはいけない。そんなことすらわからないのなら、あるいは無視するのなら、彼にフットボールクラブに関わる資格はない。
先にメンションした4つのダービーマッチの中で、唯一土曜15時キックオフという屈辱を味わったのは「ウェールズ側」で行われたセヴァーンサイド・ダービーだった。
しかしカーディフのファンにとって、試合後そんなことは些細な問題に過ぎなかった。何せスウォンジー戦オリー・タナーのスーパーヒロイックに続いて、今度は別の若者がダービーマッチで新たな伝説を残したのだから!
ブリストル・シティは怪我人続出のフォーメーションは継ぎ接ぎ状態、そんなチームにとってはいかにもなセットプレイからの先制点に続いて、試合を決定づけたルービン・コールウィルの凄まじい突破からの一撃。しかもホームファンの目の前のエンドの出来事、こんな反応になるのも何ら不思議な話ではない。
カーディフはこれでPO圏内の6位浮上。今シーズン7勝の内5勝がクリーンシートでの勝利でもある。昨シーズンの降格すら現実的な可能性として考えられた戦いぶり、そして移籍制限によって大幅な上積みも見込めなかった夏を思えば、ダービー2勝を含めPO圏6位につけるここまでのシーズンは驚異的な活躍だ。“Erolbulution” もより知名度を上げていくことだろう。
その一方で、ナイジェル・ピアソンにとってはこれがブリストル・シティの監督として最後の一戦になってしまった。ジョン・ランズダウン会長はその理由に「成績不振」を挙げたが、それが虚実に過ぎないことは誰の目にも明らかだ。
https://www.bcfc.co.uk/city-men-news/nigel-pearson-leaves-bristol-city/
先週のアクリントン・スタンリーの項でも少し取り上げたように、ここ数週ピアソンは今シーズン限りで切れる自身の契約について、未だクラブ側から延長交渉を持ち掛けられていないことに公の場で何度も言及していた。それはここ2年半で彼が地味ながらも着実にもたらしてきた安定と進歩を思えば当然の権利で、大多数のファンも彼の契約延長に賛成していたことを記しておきたい。
その中でもランズダウン会長は煩わしいピアソンをこの機に乗じて追放することを選んだ。解任の表向きの理由とした成績は(直近の怪我人続出を経てもなお)PO圏まで5ポイント差であることを思えば説得力に乏しく、そもそもメンバーを見た時に昇格を狙えるような顔触れなのか?という大きな疑問が浮かぶ。アレックス・スコットの穴を即座に埋められるような後釜をすぐに確保するのは確かに無理だが、それにしたって彼が残した2000万ポンド以上の資金は少なくとも「今シーズンに向けた」チーム強化にはまったく運用されていない。今夏市場に出ていたところでもジャック・テイラーやチャーリー・パティーノなど “More than capable“ な中盤の選手は何人かいた。それもなしに昇格を見据えろというのは無理筋でしかない。
BBCブリストルのインタビュー要請を拒否した翌日、クラブ公式で公開されたランズダウン会長のインハウスインタビューは、彼の現状認識の乏しさを露呈させるものでしかなかった。オーナーサイドのリスキーな判断で既に安定状態にあったクラブが監督交代を行う、その状況での後任監督の難しさは今のウェイン・ルーニーを見れば一目瞭然の話でもあり、誰が選ばれるにしても厳しい舵取りになりそうだ。
そしてピアソンは個人のTwitterアカウントで公開した感動的な声明(皮肉とかではなく本当に!)の中で、「近日中にブリストルのパブに行く」という一文を盛り込んだ。なんともcheekyな仕返しだ。
https://twitter.com/NigelGPearson/status/1718902244899172690
イプスウィッチとプリマス、昨季L1で伝説の優勝争いを演じた両者によるラブアフェアーには、ここチャンピオンシップの舞台でも新たなうねりが加わることになった。アウェイのプリマスが1点を先制した後の41分、完全に抜け出したムスタファ・ブンドゥがジョージ・エドモンドソンに倒されたシーンで、主審のギャヴィン・ウォードはPKはおろかファウルすらなしという判断を下した。
https://twitter.com/Voodoov21/status/1718542907584504075
https://twitter.com/Neilpafc/status/1718351277136937184
VTRで見返す限りは明らかにエドモンドソンのタックルによってブンドゥが態勢を崩しており、PKかどうかは微妙にしても一発レッド級の事象であったことは確かだ。この場面の後にOGで追いつかれ、後半はイプスウィッチの高い得点能力が炸裂。試合を通して見ればイプスウィッチが勝利に相応しい内容を見せていたことは強調しておくが、依然としてプリマスにとってはやり切れない結果になってしまった。
何にせよ11勝1分1敗、イプスウィッチは昇格組としては歴代トップのペースで勝ち点を重ね続けている。サム・モージー、マッシモ・ルオンゴ、キャメロン・バージェスという主力中の主力3名が各大陸の大会のため抜ける1月が鬼門となることは間違いないにしても、今はこの歴史的なランを楽しむことに集中すべきだろう。
Doom and gloomを極めたQPRがホームにレスターを迎えた一戦、圧倒的なスコアも予想された中で大健闘を見せたホームチームだったが、その努力は同点弾を決めたアンドレ・ドゼルの無神経な行動一つで無に帰されてしまった。
皮肉にもラグビーワールドカップの決勝でオールブラックスがハカを踊ったその直後、QPRから発表されたギャレス・エインズワースの解任。試合終了時、エンツォ・マレスカに握手を求められるまで放心状態に陥っているようにも見えたその様子を見れば、この判断は誰にとっても遅すぎたと結論付ける他にない。
QPRがここ1年間に渡って経験した(彼らのボードが選択したのだが)のは、近年のフットボール史にも残る凄惨な日々だった。「ミック・ビールの後任」としての失敗歴を直近に経験していたニール・クリッチリーの任命から始まったミスディレクションは留まるところを知らず、選手たちは急速なスタイルの変化に大きな混乱をきたし、エインズワースは彼らに何のコーチングも提供することができなかった。幸いなことに、後任のマルティ・シフエンテスは早くも会見でそのフットボールブレインの片鱗を垣間見せている。また新たな1年がここから始まる。
一方のレスターはこれで13勝1敗。14試合消化時点での成績は勝ち点3制になってからの2部リーグ史上1位となったが、このどうしようもない状態のQPRに対して薄氷を踏む内容だったこの試合を典型例として、中身に欠ける試合が依然として多すぎる。一時期そのトレンドからは抜け出したようにも見えたが、先週火曜のサンダランド戦も内容的には勝てたのが不思議なほどの試合だった。
思うに彼らの強さというのは、「平均して50点~60点を出す能力」と「チャンスを逃さない能力」に集約されているように見える。このメンバー層であれば50点でもいくつかの個人技で勝ててしまうだけで、それは今シーズンという相対評価の中では頭抜けていてそもそも勝てているのだからそれでもいいとは思うが、どうしても勝ち点などの表象的なスタッツだけを見てこのレスターを「史上最強」などと謳うのは無責任でしかないと個人的には感じる。近い例を持ち出しても昨シーズンのバーンリーの方が圧倒的に「強い」と思った(まだ10月が終わっただけに過ぎない今のバーンリーを例にとって2部がどうこう言われるのは議論・論拠の質として癪に障る)し、今季のレスターにまだまだ改善の余地が残っていることには疑いようがない。
その他のところではこれでサンダランド→リーズ→ミドルズブラ相手に3連勝となったストークの急上昇も見逃せず、相手にヘイデン・ハックニーの欠場という大きなハンデがあった中でもここ最近の整った戦いぶりを披露した。
一方で心配なのはノリッジで、8月を除いた成績だとボトム3に入る低迷ぶり。クラブ上層部の混乱で監督交代にも踏み切れない状況が続いているが、それにしてもデイヴィッド・ヴァグナーの進退が危ぶまれる戦いぶりだ。
League One
まずはこの抗議行進に触れておかなければならない。
土曜日の試合前、マデイスキー・スタジアムへの道をレディングファンの大行進が練り歩いた。その先頭にはかつてクラブで活躍したデイヴ・キトソンが立ち、多くの人々がそのメッセージを再度明確にした。
「我々のレディングFCを取り戻す」。
レディングを巡る状況に好転の見通しは立っていない。オーナーの戴永革が打ち出したはずの売却話に特段の進展はなく、虚言癖を持つウィリアム・ストーリーは満を持して今週交渉からの撤退を表明した(これはこの状況をもってしても良いニュースと言っていいかもしれない)。代わってあのマイク・アシュリーの名が新オーナー候補として浮上してきた。彼は少なくともチームを存立の危機に陥らせるような人物ではなく、その点では戴よりはよっぽどマシなのだが…。
問題はそれまでクラブが持つかどうかだ。今週に入ってまたしてもHMRCへの未払いが発覚し、何度目かもわからない清算請求が出された。EFLからは繰り返しの処分が予想され、それ以前に破産がより現実的な可能性にもなってきている。いつものように、本当の敗者はファンでしかない。だからこうして、彼らは声を上げている。
そんな中で始まった一戦、首位ポーツマスを相手に望外の大健闘を見せたのだから、少なくともファンの思いはレディングの選手たちに確かに伝わっていた。ルイス・ウイング、チャーリー・サヴェイジの中盤2人が4分間で立て続けに得点。リーグではここ9試合で1勝1分7敗のチームが大番狂わせの実現に向かった。
しかしその希望を打ち砕いたのは、飛躍のシーズンを過ごすパディ・レーンの右足だった。意外にもここまでアシストはなかったレーンが前半だけで2アシストを決め同点、結局は後半にもう1点を取ったポンペイが今季リーグだけでも5度目の逆転勝利。ビハインドの状況から拾った勝ち点は早くも17に達している。
イギリスでは先週の日曜日に2023年のサマータイムが終了したが、なんとポーツマスはこのサマータイム中の7ヶ月(シーズンオフを含むので実質5ヶ月だが)を無敗で乗り切った。その中でもビハインドを背負いすぎている点は見方によっては不安要素も、そこからしっかりリカバーできているうちは考えすぎることもない。
派手なスコアラインとなったのはブラックプール 2-4 ピーターバラの一戦。ここ最近好調でPO圏にまで戻ってきたブラックプールだったが、8戦無敗のポッシュがそれを呑み込んだ。
L1屈指のドリブラー2人、クワメ・ポクとエフロン・メイソン・クラークを擁する彼らの前に後半開始すぐCBが退場してしまえば、いくら堅守のブラックプールと言えども試合が難しくなるのは当然だ。最近ではこの2人を活かすためかジョンソン・クラーク・ハリスではなく本来LWのリッキー・ジェイド・ジョーンズが最前線に入り、やや流動的な前線の形を形成している。その3人が全員得点、1人少ない中で2点を返したブラックプールもさすがではあったが、ポッシュの完成度が確実に上がってきた。
それから今週もチェルトナムである。ダレル・クラークの古巣ポート・ヴェイルとのアウェイ戦、その解任の経緯も相まって未だ大人気の指揮官にインスパイアされ、当然今季初めての逆転勝ちでもってアウェイでの初勝利を挙げた。RWBのショーン・ロングの2ゴール、まともに戦えているからこそ起きる現象だ。
一方開幕の0-7大敗以降公式戦9試合で8勝1分というスーパーランを披露したヴェイルだったが、それ以降リーグでは7試合で2ポイント。この試合まで5試合無得点だった攻撃陣が点を取ったとはいえ、どん底の状態から他でもないクラークが押し上げる相手を見てファンがフラストレーションを溜めるのは当然のことだ。試合後には “There’s only one Darrel Clarke“ のチャントが発生していた。
試合を通して3本のPKが与えられる主審セブ・ストックブリッジの乱心で話題になったオックスフォード 2-2 ウィコムの試合は両軍にとって歯痒い結果に。90+5で追いついたとはいえウイルス蔓延からどこか歯車がかみ合わないオックスフォードだったが、この後ミッドウィークの試合で4試合ぶりの勝利を挙げた。
スティーヴネッジに敗れたダービーでは再びポール・ワーンの退陣を求めるチャントが巻き起こったが、月曜にボードが公式に彼への信任を表明。それに応えるかのようにこちらもミッドウィークには4-0の勝利を収めている。
League Two
チャンピオンシップの項ではプリマスとイプスウィッチについて書いたが、こちらは文字通り友好関係が生まれたラブアフェアー。昨季5部で両者100ポイント突破の凄まじい争いを演じたレクサムとノッツ・カウンティがL2の舞台で再会を果たした。
知り合いのウォルソールのファン(彼らは同じノッティンガム地域のマンスフィールドとのアウェイ戦に向かっていた)に聞いた話では、駅や電車の中などそこかしこでノッツとレクサムのファンが仲睦まじげに話していたという。あれだけの優勝争いを演じた後なら、いくばくか奇妙な同盟関係も生まれるものなのだろう。
肝心の試合はレクサムが後半の2ゴールでアウェイから3ポイントを持ち帰る結果に。ノッツが完封を喫したのはこれがリーグでは今季2度目、ストックポート戦の奇妙な5失点で再び懐疑的な目を向けられたレクサム守備陣の安定性だが、その後の試合を見る限り心配は不要かもしれない。ただスティーヴン・フレッチャーが膝の負傷で長期離脱となってしまい、再び前線の頭数が足りなくなってきていることは気がかりだ。
ストックポートは退場者を出したトランメアを寄せ付けず節目の10連勝、タント・ウラウフェはここ8試合9ゴールの活躍でルイ・バリーの穴を感じさせない得点ロードを突き進む。一方事態が悪化の一途を辿るトランメアはこの試合前に戦術ボードが(アウェイの)スタジアム外の駐車場を通して運び込まれるというおよそプロフェッショナルクラブとは思えないような醜態が発生。その書いてある内容の酷さも相まって、毒々しい雰囲気が漂う。そのような状況下で何の結果も残していないナイジェル・アトキンスの監督就任、クラブ運営への熱意は感じられない。
その他ではPO圏内勢が上3つにプレッシャーをかける勝利。マンスフィールド、クルー、モアカムはいずれも好調を維持しているが、その中でもやはり依然無敗のマンスフィールドは事実上の「隠れトップ3」入りを果たしていると見ていいだろう。このウォルソール戦もスコアこそ2-1だったが、シュート22本を放っての圧倒的な内容だった。
さらにはMKドンズだ。就任初戦こそ敗れてしまったマイク・ウィリアムソンだが、その後はブラッドフォードとスウィンドンという手強い両者を相手に合計7得点を挙げての連勝。もしかすると時間すら必要なく、このまま美しく順位表を駆けのぼっていくのだろうか。
BBCで放送された事ありますが、スタッフのレベル本当に高かったなぁ。クラブとやりとりするBBCスタッフの方々の英語めちゃめちゃ聞き直して語彙増やしましたwww