今週のEFLアイキャッチ
チャンピオンシップ:混沌極める自動昇格&残留争い
League One:ケイオスマーチャントの大躍進
League Two:不死鳥の如きカーティスの一撃で、AFCウィンブルドンに歓喜の瞬間!
チャンピオンシップ
まず先週、先々週と記事を更新できなかったので、前回執筆時からは順位表のどの位置にも大きな変化が生じている。本当に、本当に、大きな変化が生じている。
ここではやはり先週のこの試合に触れないわけにはいかないだろう。
まず最初に強調しておきたい点として、レスターがこの試合で見せた開始75分間のパフォーマンスは今季随一と言っても差し支えないものだったように思う。今季幾度となく直接の順位争いライバルとの対戦で見せてきたどこか奥歯に物が挟まったような出来とは違い、始めの初めにこそリーズが決定機を連発するシーンもあったが、特に先制点が入って以降の時間はまさしく彼ら本来のフットボールを高いレベルで展開していた。シーズン最初の対戦で散々突かれたトランジションの問題にもうまく対応し、後半に追加点を取れなかったのはもう不運だったとまとめるしかない。
しかし、言うならばだからこそ、その後の15分間は今のリーズが持つ強さを凝縮したような展開だった。たとえチームとして完全には機能していない中でもジョルジニオ・ルターが強引な切り口で突破を図ることができ、完全に「ノった」観客の後押しを得て半ば運任せにシュートを打てるアーチー・グレイのような若者にその瞬間が訪れる。ダニエル・ジェイムズが驚異的なパワーでフリーキックを放ちそれが幸運なディフレションとなる。この日実にいたずらな性質を見せた勝負のアヤを、彼らは紛れもなく自ら引き寄せてみせていた。
あの日のエランド・ロードのアウェイエンドほどに肩身の狭い居心地だった場所も歴史上そうはないはずだ(レスターのファンがダメだった、とかそういうことでは決してなく)。画面からでもあの日のリーズファンが作り出していた雰囲気は極めて異質に感じられた。そのノイズはそのまま、このリーグに真の意味での「昇格争い」が幕を開ける音に私には聞こえた。
そんな中で迎えた今週、レスターは3連敗目を喫することになる。順位だけを見れば俄かには信じ難い19位QPRの金星、中には昨年4月に彼らが時の首位チームバーンリーを下した大番狂わせを思い出した方もいたはずだが、実のところその内容には雲泥の差があった。シュート数こそ18-3ながらxGバトルで勝っていたのはQPRの方で、マルティ・シフエンテスの就任後リーグトップクラスのxGAを誇るアンダーラインデータが示すとおりに、この試合でもQPRの守備陣は決して運に頼ることなくレスターを封じ込めることができていたと言っていい。
一方彼らにとって重要な勝利はこの後のミッドウィークに訪れた。ソーシャルメディアでの自作自演疑惑も大きな話題を呼んでしまったミック・ビールの解任騒動後、ジャック・クラークもケガで欠きもはや何のモチベーションもない状態のサンダランドとここで対戦できたのは幸運だった。この試合では逆にスコアこそ0-1だったものの、アウェイで順当な勝利を掴んだという見方ができる。
これはレスターの年明け以降のリーグでの成績だ。個人的に気になるのは、xGAを1未満に抑えているのが11試合中2試合しかないこと。参考までに、年明け以前の成績を見ると9月以降の20試合中11試合でxGAは1未満を記録していた。xGの方に翳りはないものの、ご存じのように彼らはフィニッシュの部分に特段の強みを持つチームではない。その中で守備面に安定感が欠け始めたことが直接的な失速の原因になっていると見ていいだろう。
もっとも、過去にこのリーグでどれだけの強さを示してきたチームであっても、一度や二度の不振期を通らなかった例はない。レスターにもいずれこのような時期が訪れるとはシーズンの序盤から散々言われ続けてきたことであって、ウォッチャーたちにとっては何ら新しい発見ではないことにも注意を払う必要がある。結局彼らがここまでリーグを闊歩してきたこともまた事実であり、確かに現状で差は3ポイントにまで詰まってきたが、それをもって彼らの「最右翼」たるポジションが脅かされているとも思わない。
しかしそのセンセーショナルな論調が注目を浴びる理由もまた理解はできる。こちらもまた記録的なペースで突き進む追撃パック、とりわけイプスウィッチとリーズの存在があるからだ。
ミッドウィーク、イプスウィッチの5連勝目。ブリストル・シティ相手に1度のみならず2度追い付き、PK失敗を乗り越えて89分に逆転弾。実質的にその3ゴールすべてに絡んだリーフ・デイヴィスなど個々で褒めるべき点もあるのだが、それ以上にこの比類なきチームスピリットに注目を寄せないわけにはいかない。
実は土曜のプリマス戦も似たような展開だった。ほぼ無風だった前半を経て後半一気にステップアップ、お家芸の前線大量交代を施さずともスタメン組がピッチ上でなんとかして結果的には余裕の勝利を掴んだ。
とにかくこのチームは選手たちの戦術理解度、さらにその上でのキーラン・マッケンナのゲーム中の修正力に大きな特徴がある。それは「選手たちが決して諦めない」といったようなフル精神論で片付けていい話ではなく、おそらく普段からの入念な準備に基づく論理的な帰結なのではないか。裏を返せば立ち上がりが悪いとも言えるのだが、このスタイルで36試合を戦ってきて現状この位置にいるのだから、文句を言われる筋合いもない。
週末にはハダースフィールド相手に躓きながらもミッドウィークにきっちり立て直したリーズ、そして直近での今季2度目のwobbleから力強く抜け出す勝利を飾ったサウサンプトンも含め、残り10試合では史上類を見ない自動昇格争いが展開される可能性もある。一挙手一投足から目が離せない。
そしてチャンピオンシップといえば、一時期その混戦ぶりが話題となったプレイオフ争いといつしか立ち位置を入れ替えたように、残留争いにとてつもないツイストが起き始めた。16位から23位まで実に8チームが2ポイント差の中にひしめき、また見過ごされがちな点として、13位ワトフォードすら降格圏からは7ポイントしか離れていない。つまりボトムハーフが圧縮袋のような状態になっており、どのチームのファンにとっても気が気ではないシチュエーションになってきている。
そのカタリストとなっているのは当然前述のQPRが1つ。そしてもう1チームは、彼らとシンクロするかのようなシーズンの推移を辿る23位のシェフィールド・ウェンズデイだ。
ロザラム、プリマスという直接のライバルたちを共に1-0で下しこれで4連勝(+ここ6試合で5勝)、遂に安全圏とは得失点差のみにまでなった。一時はその勢いを失った時期もあったが、ここに来ての再点火には間違いなく1月の補強が効いているという見方をするべきだろう。
ロザラム戦で決勝点を決めたイケ・ウグボがまさにその代表格だ。この試合まででなんと5試合6ゴール。シーズン前半のカーディフへのローン時には20試合で4ゴールだったことを思えば、まずその補強自体にクレジットを送る必要がある。
決して潤沢な予算があるわけではない中で、彼やイアン・ポヴェーダのような補強ができたのはダニー・ルールのフットボールの狙いがはっきりしているからに他ならない。ウェンズデイの1トップロール、即ちウグボが現在スタメンで毎週行っている役割は極めて明確だ。それは「とにかく前からプレスをかけて、保持時にはボックスの中にいること」。ストライカーにも組み立てへの関与が求められる昨今の潮流とは対照的に、極めてクラシックで単純明快な点取り屋・最前線としての仕事に集中させることで、ウグボの本来の実力を引き出してみせている。
移籍市場の終了直後にはウェンズデイの補強をあまり評価しない旨を書いてしまったが、これはもう前言撤回せざるを得ない。明らかに冬以前と比べてチームは様変わりしているし、残留への視界は完全に開けた。
残念ながらロザラムの残留の可能性を考えることはもはや時間の無駄に思えるが、それ以外の2つのスポットは100%ワイドオープンな状況になっている。どのチームにも語るべき点はたくさんあるが、今週の段階ではとりわけ心配な2チームについて触れておく。奇遇にも彼らはいずれも現在40ポイント、16位と17位にいる。
まずはプリマスだ。ここ7試合が1勝1分5敗、勝ったのも絶不調のミドルズブラ戦だけで、うち4敗が完封負けでもある。しかしそれ以上に、新監督イアン・フォスターを取り巻く状況が非常に心配だ。前監督との対比で圧倒的に守備的なスタイルへの不満がファンのみならずキャンプ内部からも出ているようで、選手に近いところからも公に批判の声が漏れ聞こえてきているあたり、マンマネジメントの部分にも明らかに問題が生じている。これで結果が出ているならまだしも当然そうではなく、順位表の位置こそ似たようなものでも非常にポジティブな雰囲気ではあったシューマッカー時代からはかなり後退してしまっている印象が拭えない。
そしてブラックバーンである。ジョン・ユースティスが来たことである程度安心はできそうなものだったが、就任翌日の初勝利以降は特段の強敵でもない相手たちに4分2敗。しかもその引き分けの内容がまた芳しくなく、FAカップのニューカッスル戦で割り切りのある魂のこもったパフォーマンスを見せたものの、それを除けばむしろ状況は悪化していっているようにも見える。こうなるとユースティスにとってはこれが自身初のシーズン途中就任である点も気にしなければいけない。残りの対戦を見ても現トップ4との対戦をすべて残しており、まったく強気になれる要素がない。
そして今週末、この2チームはブラックバーンのホームで直接顔を合わせる。デスパレートな両者、両監督の戦いになることは必至だ。
League One
こちらもここ2週の間に大きな動きがあった自動昇格争い。4強と思われた激戦に我が道を貫き割り込んできたのは、”Chaos Marchant” と呼ぶに相応しいバーンズリーだった。
わずか1敗しか喫していない12月以降の近17試合ながら、その中で完封したのはたったの1回だけ。しかもその内8試合では先制を許してすらおり、とにかく出入りの激しい試合に持ち込んでその中で殴り勝つスタイルを確立しつつある。
直近の1ヶ月で大幅なパフォーマンスの向上を示すウィコム相手のアウェイゲーム、ここでも先制のみならず2度のリードを許しながらも慌てず騒がず、それぞれ違う選手が取っての4得点。直近で異様な終盤のステップアップ力を見せていたアダム・フィリップスのシューズにも頼ることなく、2つのセットプレイをはじめとした強度・速度の高い攻撃で好調の相手を仕留めた。自分たちのできることとできないことを心得た割り切った戦いぶりができていると言えよう。
そんな「動」のバーンズリーと、スローポゼッションからの崩しを代名詞とする「静」のボルトン。額面上では同じ3-1-4-2のシステムを採用しながらも実のところは正反対のフットボールを志向するスタイルクラッシュの両者が対戦した火曜日の自動昇格争い直接対決、その期待に違わぬ熱戦は、アウェイのボルトンが2点差を追いついての2-2ドローに終わった。
彼らにとってこの90+7の同点ゴールはシーズンを左右しかねない一撃だ。ここまでフラットな状態からの強さは間違いなくリーグ随一のものを持ちながらも、その退場者の多さや一度崩れたところからの立て直しの利かなさなどかなり打たれ弱い戦いぶりを見せてきた印象があった中で、レジリエンスの部分で正反対の特色を持つバーンズリー相手にアウェイで追い付いてみせたのは新しいキャラクターだった。
また冬加入のアーロン・コリンズが最近先発するようになり、この日はエースのディオン・チャールズが欠場していた中でも、ベンチから2人のストライカーを投入するなどパワープレーができるだけの層も生まれている。最後同点弾を決めたランデール・ウィリアムズも途中出場だった。この攻撃陣の厚みも必ずボルトンにとってはプラスに働く。
プラクティカルな点ではこれで試合数が並んだダービーを1ポイント上回りボルトンは2位に復帰。しかし依然ゲームインハンドを持つバーンズリーが3ポイント差で4位におり、ここもまた1週ごとに状況が目まぐるしく入れ替わる争いになりそうだ。
首位ポーツマスは再びwobble後の反発力を示す直近9試合7勝2分、土曜日には奇妙な90分間の後オックスフォードを下し、下のチームが未消化分をこなしてきた中でも依然として2位に6ポイント差をつけての首位に立つ。ただボルトン、ダービー、バーンズリー、ポッシュと5位までを占める全チームとの対戦を残しており、もちろん真価が問われるのはまだこれからだろう。
上述3チームを挟んで5位にいるのがそのピーターバラ。こちらは2月に入った後突然の4連敗で一気に順位を押し下げてしまっていたが、BSMトロフィーでのウェンブリー行きを決めたことで再びムードが戻ったかここに来て再びの3連勝、特に火曜日はノーサンプトン相手に逆転での5-1勝ちを収めた。キャラクター的にもCHのサウサンプトンと重なる部分があり、ここからまた連勝街道に戻れれば上を喰うチャンスはまだまだ十分に残っている。
下位グループではネイサン・ジョーンズが就任したチャールトンが本格的に息を吹き返した。かなり心配なスタートを切ったアーリーデイズだったが、ボルトンとポーツマス相手に連続引き分けを演じた後のダービー戦で11月以来の勝利を飾って現トップ3相手の3連戦で5ポイントを獲得。その直後だった今週もノーサンプトンにドロー、そして復権著しいチェルトナムをアウェイで下しての6試合無敗だ。
そのチェルトナム戦で古巣対決のアルフィー・メイと並んでの2トップ先発から先制点を取ったのが19歳のダニエル・カヌー。その前のチェルトナム戦でチーム唯一の得点を挙げたのがこちらも19歳のカロイ・アンダーソン。またレフトバックにも19歳のティエリー・スモールが入るなど、決して穏健なやり方には満足しないジョーンズらしく若手選手の積極的な登用が目立つ。PPGベースでは降格圏にいたところからひとまずは安全圏に抜け出し、まずは来季以降に向けた土台作りに励むことができそうだ。
三度の勝ち点剥奪を経て向かったアウェイデイズはロンドンから遠く離れた北方カンブリア。レディングの選手スタッフ一同、そしてファンベースが示す懸命で純真な戦いぶりは、エモーショナルな感情を抜きにして見ることなど到底できない。
11月以降の純粋な成績を参照すれば、なんと彼らはリーグで6番目に多い勝ち点、つまりPOフォームを維持している。ピッチ外であれだけの混乱が起き、当然のように1月には主力が大量に放出され、チャーリー・サヴェイジの一時期のようなあるべきではない理由での選手の欠場を強いられながらも、である。真に驚異的な戦いぶりと称える他ない。
それをもってしても彼らの残留は決して保証されていない。むしろこれからまだまだ勝ち点剥奪が起こる可能性すらあるし、これ以上の悲劇が繰り返される可能性もある。しかし彼らの23/24シーズンが誇りに満ちたものである、その事実だけは重ねてここに記録しておきたい。彼らは手放しでの称賛に値するのだから。
League Two
この時期らしく3試合がピッチコンディション不良で中止となった土曜日。延期分が重なり5試合が行われた火曜日。今週の計14試合、その中でもまずヘッドラインを飾るべきは何をどう考えても、ロンドンの片隅で行われた「実現すべきではない一戦」の凄まじい結末以外に存在しない!
2017年以来7年ぶりとなるAFCウィンブルドンのMKドンズに対する勝利。そしてより重要なことに、新生プラフ・レーンでのMK戦初勝利。あのフットボール史に残る暗黒の瞬間を、ウィンブルドンの街が確かに、明瞭に、乗り越えた瞬間だった。
ましてや決勝点は90+3分、人々というよりはもはやスタジアムが叫び揺れた劇的なオープナー。その得点を決めた選手もこれ以上なくドラマチックだ。ローナン・カーティス、27歳。結果的に5年に及んだポーツマス在籍時には幾度となくL1からのステップアップの話が出て、アイルランドフル代表としてのキャリアも築いていた切れ味鋭いサイドの実力者たる彼に、左膝の前十字靭帯損傷という大怪我が突如襲ったのは昨年2月のことだった。ポンペイからの契約延長オファーを保留し続け、結果的にそのファンからの人気に見合わぬ形で人知れずクラブを去ったのが12月。そして1月、キャリアの再起を賭け、半年契約でこのウィンブルドンの地にやってきた。
この試合までカップ戦含め既に8試合に登場しながら、フル出場を果たしたのはたったの1度だけ。長きに渡るリハビリを経て、フィットネスレベルはまだ以前のそれとは程遠い。それでもこれが早くもウィンブルドンでの3ゴール目、そして最も重要な一戦での終盤も終盤の一撃。やはり歴史的な1日には、こういった選手のメンタリティが必要不可欠なカタリストとなるものだ。
結局は不可避でしかなかったアリ・アル=ハマディ放出の冬を越えて、(毎年恒例の)歴史的な大混戦の様相を呈すプレイオフ争いの中で現状は10位。直近4試合で1ポイントという状況で迎えたこの何にも代えがたい1勝は、彼らのシーズンを大きく好転させるきっかけになっても何ら不思議ではない。しかし今はそんなこと以上に、とにかく「MKに勝利した」その事実を喜ぶだけでいい。それに勝ることはない。彼らにはまさに、「フットボールの勝利」を謳う権利があるのだから。
公平を期すために、というわけでもないのだが、そのMKドンズが直後のミッドウィークにすぐさま大きな巻き返しに成功したことにも触れないわけにはいかない。何せ相手はこちらも混戦の首位争いから一歩抜け出しかけていたマンスフィールド、しかもここまでわずか1敗の彼らのホームで逆転勝ちを収めた点に言わずもがなの価値がある。
xGバトルこそ2.40-0.92という数字ではあったが、ハイライトを見ればわかるように先制点のシーンで「PKセーブ→跳ね返りをセーブ→さらに跳ね返りを押し込む」という一連の流れだけで1.5以上のxGが生成されているため、額面通りに受け入れるべきものではない。それを踏まえれば、アンダーラインデータ上は攻撃面も守備面共に紛れもなくリーグ最強のマンスフィールドに対して、アウェイでこれだけの戦いができるのは出色だ。
年明け以降はそれなりにパフォーマンスの波も目立つようになってきた中で、戦い方には着実に幅が生まれてきているようにも見える。この試合の同点ゴールもシンプルなゴールキックからの伸縮を活かした動きで、かと思えばマイク・ウィリアムソンのお家芸たる繋ぎも当然健在。同じような志を持ちシーズン途中での監督交代に踏み切った他複数チームの状況と比較しても、3月の段階で大きな躓きもなくここまで仕上げてきているのは極めて喜ばしい進捗だ。
敗れたマンスフィールドも特段心配する必要はないだろう。記憶に新しいハロゲイト戦9ゴールの衝撃を持ち出すまでもなく、得点機会の創出という意味でまったく勢いに翳りはなく、パフォーマンスでの安定感は他の追随を許さない。3月末のレクサム戦までは4試合下位チームとの対戦、ズルズル行く画はあまり想像できない。
他の首位・自動昇格争いのチームではここ4試合未勝利でのストックポートが試合延期でゲームインハンドを持つ状況に。毎週のように入れ替わる3位のスポット、今週はホームでよもやの2-0からの逆転負けを喫したクルーに代わって、退場者を出した相手に4-0の完勝を飾ったレクサムが再び自動昇格圏に戻ってきた。彼らにとってはこれが4試合ぶりの勝利で、最近ではその煌びやかなクラブプロフィールにあらゆる意味で即さない消極的なフットボールに終始していたものの、先発復帰となったポール・マリンのハットトリックが再び彼らに前進気勢を与えるのだろうか。
そのレクサムに敗れたアクリントン・スタンリーはこの試合をもってジョン・コールマンとジミー・ベルの指導陣トップ2を解任。もちろん現在のEFL監督の中で(10年以上をNLで指揮していたサイモン・ウィーヴァーを除き)最長任期を誇り、第1期を合わせれば計20年以上にも渡るアクリントンの指揮を通してほぼクラブそのものと言っていい功績と立場を築いてきた大レジェンドの退陣に際して、↓の淡白な声明しか用意しない姿勢は当然ファンの大きな怒りを買った。
10月の記事でも紹介したように、オーナーのアンディ・ホルトと両名の間におおよそ修復不可能なレベルの亀裂が入っていることはもはや公然の秘密だった。以前から何度も取り上げてきたが、ホルトがこれまでTwitterなどを通して行ってきたオーナー業に関する透明性ある興味深い発信には多くのフットボールファンが敬意を払うべきで、それは今回の件に際して後日クラブ公式で発表した彼自身の考えからもその一端を窺い知ることができる。
しかしこの解任に合わせてまたしても自身のTwitterアカウントを閉鎖し、それ以前にも直近で数々の不毛な論争を巻き起こしてきたことを考えれば、残念ながら現状のホルトにアクリントンを前進させていくための資質を見て取ることはできない。あまりに自己弁護に固執し、大局的な考え方ができていないように見える。解任に至った理由こそ説明されども解任発表時のあのロイヤリティに欠ける仕打ちに至った理由が何も説明されていないのであれば、クラブ公式でのあの長ったらしい文はただの言い訳と化してしまう。クラブの行く末が非常に心配だ。
また4頭立ての展開となって久しい残留争いでは土曜日、グリムズビーがフォレストグリーン相手にとても重要な1-0勝利を掴んだ。両者ともに最近やや改善の兆しを見せつつあるとはいえ、FGRとサットンの降格圏両者とゲームインハンドすら持つ「上2つ」のグリムズビー、コルチェスターの間には依然5ポイント以上の差。時間切れが迫ってきた。